簡単!ナイフの刃の角度の求め方

ナイフの刃の角度の求め方のご紹介です。
動画はこちら>

 

今回はアウトドアでオピネルなどのフォールディングナイフやモーラなどのブッシュクラフトナイフを使われている方も多いと思いますが、そのナイフの刃を研ぎ直すときや自分の好きな刃の角度にカスタマイズするときなどに、現状の刃の角度は何度で、何度にしたいから何ミリ削ろうというふうに、計算で削るサイズが出せるととても便利ですので、その計算方法のご紹介をしたいと思います。
howtomakeVT_02
howtomakeVT_02

 

計算方法としては、高校生のときにサイン、コサイン、タンジェントといった三角関数を習ったと思います。その三角関数は角度はわかっていて、わからない辺の値を求めるときにつかいましたが、今回は角度を求めたいので辺の値から角度を求める逆三角関数というものをつかいます。逆三角関数ではイン、コサイン、タンジェントはアークサイン、アークコサイン、アークタンジェントという呼び方に変わります。

そして、今回ご紹介する計算で求めることができるナイフの刃の断面形状は主に、刃の断面が平らな面を持つモーラナイフなどのスカンディ グラインドやオピネルナイフなどのフラット グラインドとなります。アウトドアのナイフで有名なバークリバーのブラボー1などは刃の断面形状が曲面になっているコンベックス グラインドですので直角三角形がつくれず今回の計算では求めることができません。
howtomakeVT_06

 

それでは早速やってみたいと思います。
まずはiPhoneの計算機アプリをつかって計算してみたいと思います。iPhoneの計算機アプリは横にすると関数が計算できる関数計算機に変わりますのでそれをつかいます。それから、ナイフは先ほどもご紹介したアウトドアのナイフの中では比較的入手しやすく扱いやすいモーラ ヘヴィーデューティーをつかって刃の角度を計算してみたいと思います。

howtomakeVT_03
モーラ ヘヴィーデューティーは刃の厚みが3.2mmなので、直角三角形の高さに当たる部分には1.6mmとなります。あとは刃の高さで直角三角形の底辺にあたる部分を物差しで測ります。

howtomakeVT_04
howtomakeVT_05
刃の高さは大体6.5mmくらいでしたので書き入れます。底辺(刃の高さ)と高さ(刃の厚みの半分)がわかったら、まずタンジェントを計算します。タンジェントは高さ / 底辺 = 高さ ÷ 底辺ですので1.6÷6.5を計算します。

KnifeCal_06
タンジェントは0.24615…という答えが出ました。次は逆関数のアークタンジェントの計算をします。

KnifeCal_07
普通の状態では通常の三角関数を計算するサイン、コサイン、タンジェントの表示となっています。

KnifeCal_08
逆三角関数を計算するために計算機アプリの左上の2ndボタンをタッチします。すると、

KnifeCal_09
サイン、コサイン、タンジェントの表示の右上に-1という文字が現れたと思います。これで逆関数を計算できる状態になりました。ここまでくればあとは簡単です!tan-1と表示されているアークタンジェントボタンをタッチするとアークタンジェントが求められます。

KnifeCal_10
KnifeCal_11
tan-1ボタンをタッチすると13.82865…という答えが出ました。これがナイフの刃の片側半分の角度となります。ナイフの刃は両側あるので、この数字を×2すると刃の角度となります。

KnifeCal_12
KnifeCal_13
×2をすると27.6573…という答えが出ました。これがモーラ ヘヴィーデューティーの刃の角度となります。パッケージを処分してしまったので定かではないのですが、パッケージの裏側には角度27度もしくは28度と記載があったと思いますので大体あっているのではないでしょうか。

 

つづきまして、『iPhone持ってないよ!』という方のためにWindowsに入っている電卓というアプリケーションでの計算方法をご紹介したいと思います。バージョンが古いWindowsなので最新ものとは違うかもしれませんが参考にしてみてください。

KnifeCal_14
KnifeCal_14-2
普通に電卓アプリを立ち上げるとこのような電卓がでてきます。この電卓では関数計算がでないので、表示をクリックしてでてくるプルダウンメニューの関数電卓をクリックします。

KnifeCal_15
すると、このような関数計算ができる電卓に変わります。

KnifeCal_16
そのままだと普通の関数の計算になるので左上のInvチェックボックスをクリックしてチェックを入れます。InvボタンはInverseの略で、「逆の」と言う意味です。この場合は関数の逆ということで逆関数を計算するためのチェックボックスとなります。

KnifeCal_17
あとはiPhoneの時と同じです。まず1.6÷6.5を計算してタンジェントを求めます。先ほどと同じ0.24615…という答えが出ました。

KnifeCal_18
つづいてtanボタンをクリックしてアークタンジェントを求めます。こちらも先ほどと同じ13.82865…という答えが出ました。

このような感じで、iPhoneやPCの電卓アプリもしくは関数電卓をお持ちの方はそれを使って簡単に角度を出すことができます。既存の刃の角度を知って使い心地を確認したあとに、合わないようであれば角度を変えてカスタマイズすることで自分の好みにあった角度もわかってきますし、新しいナイフを購入したときに好みの刃の角度に作り直したい場合にも、すごく便利だと思いますので、皆さんも是非活用してみてください!

動画はこちら>

 


2017-06-19 | Posted in TOOL & GEARNo Comments » 

関連記事

Comment

コメントを書くにはログインが必要です